シャムタに進出した石油会社(2) « 砒素最前線・ジョソールから
17日(金)18日(土)の休み明けの19日、KK-Rakanは砒素センターに出勤した。
金曜日に、シャムタ村ジャムトラバザールの南で見た「ノーブル・ハウス・グループ」「オリエンタル・オイル会社」「コンチネンタル・ペトロレウム会社」についてインターネットで調べてみた。
検索を手伝ったディポックが「バングラデシュには、そのような名前のグループも会社もないようですね」と言った。
今の時代、ホームページをもたない会社は、よほど小さいか、最近できたばかりなのだろう。
午後4時すぎに、エンジニアのクッドゥスがフィールドから戻ってきた。クッドゥスは、シャムタ村出身のアジア砒素ネットワーク(AAN)スタッフだ。
AANで働きながら身につけた技術と経験をいかして、井戸掘削会社を共同経営するとともに、シャムタ村のジャムトラバザールに建築資材店を開いている。
KK-Rakanはクッドゥスにきいた。
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「ジャムトラバザールの南にあるオリエンタル・オイル会社とコンチネンタル・ペトロレウム会社が、何をつくっているか知っているか?」
「オイル会社のことはよく知っています」とクッドゥスが答えた。
オリエンタル・オイル会社は、インドから輸入した精製前のオイルを混合・乾燥させてエンジンオイルにして出荷している。2002年ごろ農地買収にとりかかり、翌年建設に着工、2006年に開業した。
その南にスチールの会社があった。いつの間にかオイル会社に吸収されて一つになった。
さらに南に車両のバッテリーをつくる会社ができた。細い煙突から、ときどき煙をはいている。
こうした工場の北にコンチネンタル・ペトロレウム会社が用地を買収して立て札を建てたのだ。
エンジンオイルとスチールとバッテリー、さらに石油、どれも車両に必要なものだが、製品の関連性は薄そうにみえる。これらの会社が属する「ノーブル・ハウス・グループ」は、何をめざしているグループなのだろうか。
モンジュの話では、土地の買収に来たのはオイル会社のマネージャーだったという。
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クッドゥスが意外なことを口走った。「オリエンタル・オイル会社に頼まれて、工場の敷地に井戸の掘削をしました」。だから、工場の中のことも詳しいという。
「工場廃水はどうしている?」とKK-Rakanがきく。「池をつくって溜めています」とクッドゥスがこたえる。
「コンクリートの池か」。「ちがいます。底は粘土ですが、もれる心配はありません」。「雨が降って、廃水が池から周辺の農地にあふれでることは?」
クッドゥスは、しつこく質問するKK-Rakanをけげんな顔で見た。
60年代から70年代にかけて、日本中で廃水による水や土壌の汚染、排煙による大気汚染が深刻化し、公害反対闘争がわきおこった。当時を知るKK-Rakanは工場の公害防止対策が気になる。
「工場から煙はでないのか」と問うと、クッドゥスは「バッテリー工場の小さい煙突から煙はでます」と答えた。
日本の経験だと、工場は環境汚染をおこし、作物の育たなくなった周辺の土地を買収しながら拡大していった。
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工場で働く50人近い労働者の8割はシャムタ村の者で、荷役やガードマンのような単純労働だと月に2000タカ、経験をつむと月に4000タカもらっている。
クッドゥスは、そんな話をしたあとでこう言った。
「工場で働く者からモンジュの一家に圧力がかかるでしょう。長くはもちこたえられませんよ。土地の値段があがれば、モンジュは土地を手放すのではないですか」
クッドゥスの口ぶりから、モンジュがマンゴ園の値上がりを待っているように聞こえてくる。村の人は、そんな目でマンゴ園を見ていることだろう。
バングラデシュでは、金の誘惑を断ちきって、がんこに農地を守った者を賞賛するのではなく、値上がりを待って高く売った者が、妬まれながらも拍手を送られる。
障がいのある娘の教育費、生活費を毎年うみだすマンゴ園をつくったやさしい母親。値上がりを待って土地を売ろうとするしたたかな女性。ふたつの顔が交錯する。
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